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アイデア商品のつくり方:用途や重要なポイントを伝えて実現する3つの方法

この記事では、アイデア商品をつくる時に、どのようにイメージを製作者に伝えればいいかについてご紹介します。


布製品はお洋服に限らず、日常のさまざまな場面で使える商品をつくり出すことができます。

例えば、「これがあればもっと便利なのに」と感じるアイデアを形にし、暮らしをより快適にする商品をつくりたいという場合もあるでしょう。そんな時、まだ市場に存在しない独自の商品をつくるために、製作依頼を出すことがあるかもしれません。


しかし、アイデア商品を形にするときには、製作者にそのイメージをできるだけ正確に伝える必要があります。イメージが曖昧だと、でき上がったものが自分の期待を満たさない場合があり、結果として、思い描いた商品とは違ったものが仕上がってしまうことも少なくありません。特に、商品がどういうシーンでどのように使われるか、具体的な「用途」を伝えることが非常に重要です。


そこで今回は、製作を依頼する際に、つくってくれる人に「何が重要なのか」を的確に伝える方法と、サンプル製作や他の商品との差別化のポイントについてお話しします。また、商品の用途を具体的に伝えることで、どれだけ期待通りの商品をつくれるかが左右されるかも説明します。

2024年12月25日更新

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1. 用途を具体的に伝える

まず、アイデア商品の「用途」を明確に伝えることが不可欠です。これによって、製作側がその商品の目的や使い方を正確に理解し、期待に応じた商品をつくることが可能になります。用途を具体的に伝えることで、製作者はその商品がどのような状況で使用されるか、またどんな機能が必要とされるのかを把握でき、素材選びやデザインの調整がスムーズに進むでしょう。

用途を伝える重要性

商品の用途を正確に伝えることで、製作者はその商品がどのような環境や場面で使われるかを理解しやすくなります。例えば、「日常使いで長時間持ち運ぶバッグの場合は軽さが必要」「アウトドアで使用するため耐久性や防水性が求められる」など、具体的な使用シーンを伝えることで、素材やデザインの工夫に繋がります。適切な用途を伝えることにより、製作側もより的確な判断ができるようになります。

用途を伝える手段

では、どのようにして具体的な用途を効果的に伝えられるのでしょうか?以下の方法で、製作側にしっかりと意図を伝えることができます。

① 具体的なシーンを説明する

商品が実際に使われる場面や環境は、製作者にとって非常に重要な情報です。たとえば、「デスクワーク中に背中を支えるためのクッション」「雨の日でも中の荷物を守るための防水性バッグ」など、実際にその商品が使用される状況を説明することで、製作者はより具体的なイメージを持って製作に取り掛かれます。

② ターゲットユーザーを伝える

その商品を使う人が誰であるかを伝えることで、製作者が用途をさらに理解しやすくなります。たとえば、「子供が簡単に使えるようにしたい」「高齢者でも使いやすい機能性が必要」など、ターゲットユーザーに応じて、商品に求められる要件が変わることが多々あります。ターゲットを明示することで、製作者もどの部分に注力すべきかが明確になります。

③ 必要な機能を強調する

商品に求められる機能を用途に合わせて説明することも重要です。たとえば、バッグを作る場合は「重い荷物を入れても肩に負担がかからないようにしたい」や、「耐水性があり、雨の日でも安心して使える」など、具体的な機能を伝えることで、製作者はそれに対応した素材やデザインを選ぶことができます。

2. 重要なポイントを伝えるための手段

製品づくりに携わる人たちに自分の意図を正確に伝えることは、アイデアを形にする上で欠かせません。どの部分が必須で、どの部分に柔軟性があるかを明確に伝えることで、無駄な工数やコストを削減し、イメージに近い仕上がりの実現につながります。特に、細部にこだわる箇所をしっかり共有することで、最終製品のクオリティも大きく向上します。

画像を活用した説明

言葉だけでは伝えきれないニュアンスを、ビジュアルを活用して共有することが有効です。参考画像やデザイン画を使い、「この部分が重要」というポイントを示すと、製作側も意図を汲み取りやすくなります。異なる画像を組み合わせてイメージを明確に伝えることも効果的です。

実物を活用した説明

サンプルや既存商品を参考にすることで、製作側はより具体的に理解できます。例えば、商品の開閉の仕組みや収納の配置など、視覚的に確認できれば、誤解を減らし、完成品が期待に近づくでしょう。

自分で仮の見本をつくってみる

言葉や画像で伝えづらい箇所があれば、もし可能であれば、仮のものでも良いので、自分で近しいものをつくってみるのもいいかも知れません。布をミシンで縫うことが難しければ、紙をホチキス留めで組み立てた部分的な見本があるだけでも、アイデアやイメージの理解が深まります。

またご自身で試作してみることで、自分の考えていた形状が実際にはどのように見えるのかを検証できるだけでなく、微調整や改善点も発見しやすくなります。

3. 優先順位リストの作成

ものづくりの現場では、どうしても物理的に実現できないという現象が起こることもよくあります。


例えば、イメージの共有のために送った画像と、実際に製作するための生地が違うために、画像の形のように縫い上がらない、ということはよくあります。そういう場合には、形が重要なら生地を変える、または生地が重要なら形が変わることを許容する、あるいは両方維持するために仕様を変える、などの検討が必要になります。


そういう場合に、どの部分が重要か(どの部分は重要ではないのか)をはっきりさせることはとても大事です。「絶対に変えてほしくない箇所」「多少違っても許容できる箇所」が明確なら、職人さん側からも、重要な箇所を維持するための提案をしてくれることもあるでしょう。


そのためには、優先順位リストをつくるのもいいかも知れません。このリストを使えば、製作者に何が一番重要で、どこは柔軟性を持たせられるのかを伝えやすくなります。

どうやって優先順位リストをつくる?

まず、デザインや機能を考えたときに、「これは絶対に守ってほしい」と思う部分をはっきりさせましょう。これを必須項目とします。例えば、シルエットやサイズ感、素材の質感など、商品全体のイメージを決める重要な部分です。


次に、「できればこのままにしてほしいけど、少し変更しても大丈夫」という項目を優先度中に入れます。例えば、ボタンの位置や細かいディテールはこの部分に当てはまるかもしれません。ある程度の柔軟性を持たせることで、製作者が技術的やコスト的な制約に応じて対応しやすくなります。


最後に、優先度低として「特にこだわらない部分」をリストに加えます。これらは、予算や製作条件に応じて調整できる部分です。

なぜ優先順位リストが役立つのか?

優先順位リストをつくることで、製作者がどこに注力すべきかがはっきりします。特に、限られた時間や予算の中で商品を作るとき、このリストがあれば「どこを優先するか」が明確なので、効率的に進めることができます。また、製作者が迷うことなく進められるため、スムーズなコミュニケーションが可能になり、結果として仕上がりが理想に近くなります。


さらに、このリストをもとにサンプルを確認すると、何を調整すべきかや、追加で手を加える必要があるかどうかが分かりやすくなり、試作から最終製品までの流れがよりスムーズに進むでしょう。

4. まとめ

アイデア商品を形にする際、重要なのは具体的なポイントを明確に伝えることです。画像や実物のサンプル、優先順位リストを活用することで、製作側とのスムーズなコミュニケーションが図れ、理想に近い仕上がりを実現することができます。また、自分で簡単な見本をつくることで、考えをより具体的に伝え、完成品に対するイメージのズレを防ぐことが可能です。


こうした方法を活用し、試作から最終製品まで、しっかりとアイデアを形にしていきましょう。