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パターンが用意できない場合の依頼方法とは?

この記事ではパターンが入手できない場合の依頼方法についてお届けいたします。

縫製作業において「パターン」は完成品の設計図となる重要な役割を果たします。パターンがあることで、形を職人さんに正確に伝えられ、また同じものを何度も再現することが可能になります。他の記事でパターンの重要性と役割についてお伝えし、またパターンの入手方法についてもご紹介しました。


それでは、パターンが用意できない場合、どのように縫製を依頼すればよいのでしょうか? いずれにしても、パターンがなければ縫製作業は進まないため、誰かが何らかの形でパターンをつくる必要があります。その前提で、なるべく正確で効率的に要望を伝えることが重要です。今回は、その効率的な依頼方法についてご紹介します。

2024年12月23日更新

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1. 一番ほしいのは「これをこうしたい」という客観的な情報

職人さんにつくってもらうものの共通認識を持つためには、主観的なイメージを伝えることももちろん大事ですが、それ以上に客観的な情報のほうが要望を伝えやすい場合があります。

たとえば「これをこうしたい」という伝え方をするのが効果的です。


つくりたいものに似ている「A」を見本に、「Aのこの部分」を「B」にしたい、という客観的な伝え方をことで、つくり手にとっても共通認識を持ちやすくなります。より具体的に、かつ相対的に説明することで、製品の仕上がりがあなたの理想に近づくでしょう。

① 見本を用意するのが一番カンタン!

パターンがない場合、一番カンタンな方法は、つくりたいものに似ている見本を用意することです。例えば、お気に入りの服や似たデザインのものがあれば、それをもとに、「この部分をこうしたい」と伝えれば、画像や言葉だけでは伝わりにくい情報も伝わりやすくなり、職人さんも要望を正確に理解しやすくなります。


見本を使うことで、素材感やディテール、実際に触ったときの質感など、目で見ただけではわからない部分も確認してもらえます。そのため、完成品の仕上がりについての齟齬が生まれるリスクを軽減し、あなたの理想に近い製品をつくってもらうことができるでしょう。

② 写真とくわしい説明を添える

もし見本を用意するのが難しい場合は、デザインをイメージできる複数の写真を提供することが効果的です。できれば前面、背面、側面の各角度の写真を揃えることで、形状がより伝わりやすくなります。


全体写真と併せて、ディテールについても詳しく説明することが重要です。例えば「衿にはレースを使いたい」「ここにボタンを追加したい」「袖は別の写真のものに近づけたい」といった具体的な要望を伝えることで、より希望に近い仕上がりを実現することができるでしょう。

③ デザイン画でイメージを伝えるのももちろんOK!

もし絵を描くのが得意な方であれば、自分で描いたデザイン画をもとに依頼するのも非常に良い方法です。簡単なスケッチだったとしても、形やディテール、シルエットのイメージを伝えるのに役立ちます。特に「この部分をこうしたい」といった要望を手描きで示すことで、職人さんやパタンナーさんにとっても具体的なイメージが掴みやすくなります。


デザイン画は、言葉では伝えにくいニュアンスや細かな部分のイメージを補完する有効な手段です。テキストで説明すると冗長になる内容も、デザイン画であれば一目で伝わります。絵の得意不得意にかかわらず、少しでも具体的なスケッチを描いてみることで、伝わりやすさが格段に向上します。

2. 洋服以外の雑貨や小物類の場合には?

もしつくってもらいたいものが洋服ではなく、雑貨や小物類の場合は、指示寸法を記載するだけで製作できることもあります。たとえばバッグやポーチなど、洋服に対して形状が比較的単純なものであれば、縦・横・マチの寸法やポケットの位置といった具体的な数値を提供することで、パターンづくりがスムーズに進むこともあるでしょう。


細かいカーブや複雑なディテールが少なければ、寸法指示が正確であれば、職人さんもパターンをつくりやすいです。このように、洋服ほど詳細なパターンが必要でない場合もあるので、つくりたいものに応じてどの程度の情報を提供すべきかを判断することが大切です。

3. まとめ

パターンがない場合でも、見本や写真、デザイン画、寸法指示などを活用することで、希望通りの製品をつくってもらうことは十分に可能です。要望を正確に伝えるためには、「これをこうしたい」という具体的な情報をできるだけ客観的に伝えることがカギとなります。また、職人さんとのコミュニケーションをしっかりと取り、共有できる資料を準備することで、完成品のイメージが一致し、理想の仕上がりに近づけることができます。


見本や写真、デザイン画、寸法指示を上手く活用して、あなたの理想を形にするお手伝いをしてもらいましょう。どんな情報が必要かを判断し、具体的かつ詳細に伝えることで、パターンがない場合でも納得のいく製品を依頼することが可能です。